• 土田国際税務会計事務所

香港の税金事情


香港の税制について解説します。

  香港の所得税

所得に対する税金は三種類で、法人税、給与所得税及び資産所得税(不動産賃貸などの資産からの所得)に区分されます。

所得税の課税対象に関して、香港外に源泉のある所得は原則非課税となります。従いまして、香港外源泉所得に係る源泉徴収税がある場合、原則として外国税額控除を適用することはできません。株式の配当、キャピタルゲイン(投機でないもの)については、所得税はかかりません。

香港の所得税は、日本と異なり賦課課税方式が採用されています。納税者が提出する納税申告書に基づき、税務当局による査定が行われ、最終的な税額が確定し、納税者に通知されることになります。しかしながら、賦課決定は必ずしも申告書の提出後速やかに行われるものではないことから、納税については見積額を予定納税して対応していくのが一般的な取扱いです。

法人税は、税率が16.5%となります。給与所得税は、標準税率が15%で、2~17%の累進税率との選択制になっています。

単純に税金だけを比較するなら、香港は日本より圧倒的に租税負担が低いといえます。もっとも、香港への移住を検討されている方は、単に税金の比較だけでなく、生活に係るコストや気候などを比較検討されることをお奨めします。

香港は亜熱帯に属し、一年を通じて温暖な気候ですが、湿度が高く住みづらいと思われる方もいるかもしれません。ただ、狭い地域で海に面していてますので、内陸部のように湿度がこもるといった感覚はありません。

生活面では、日本人が好むレベルの食料品は、日本とほとんどコストは変わりません。一方、住居費が極めて高く、かつ日本よりも狭く感じられます。子供の教育については、日本人であれば日本人学校かインターナショナルスクールの選択になりますので、相当なコストがかかります。

租税条約

183日ルール

日本と香港それぞれに関わるような取引については、日本-香港間の租税協定に準拠することになります。税制上、香港は中華人民共和国とは異なる法体系を有しており、独自に他国・他地域と租税協定を締結しています。

日本と香港との間の税務上の取り扱いで最も質問の多いイシューは、短期滞在者免税規定(183日ルール)に関してです。日本人が香港に行ってビジネスを行う、或いはその逆のケースにおいて、相手国で経済活動を行う以上、そこで発生した付加価値に対しての課税権は当然それぞれの相手国が有することになります。極端に言えば、相手国で一日ビジネスを行ったとしても、相手国としては一日分の所得に対して所定の税金を徴収する権利があるわけです(取扱いはそれぞれの国内法に準拠します。)もっとも、あまりに短期の滞在者に対していちいち課税を行っていくのは、徴税の手間やビジネスの促進を阻害する恐れ等があるため、一定の期間内については相手国において課税を免除するというのがこの規定の趣旨となります。日本-香港の租税協定においては、例えば日本人が香港での滞在が任意の12か月のうち、183日以下の場合には香港での給与所得税の徴収は免除されることになります。


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