• 土田国際税務会計事務所

最適な資産形成の第一歩


最適な資産形成を考える場合、クライアントの年齢や家族構成、手持ちの資産の状況などに応じて対応が異なってきます。

現在20代、30代のクライアントはほとんどいませんが、かりにアドバイスを求められれるとすれば、まずは現在の仕事にフォーカスして会社に最大限貢献していくということだと思います。

人生の幅は自分が考えているよりも意外と広く、うまくいく場合もいかない場合も含めて5年後に現在からは想像できないような状況に至っているということはあり得ない話ではありません。副業でちまちま稼ぐよりは、勉強をして自分のキャパを広げることが重要です。

自己投資というと、専門学校やらxxスクールといったものに頼りがちですが、こうした紋切り型の教育機関に行っただけでは基礎能力を高めることにはつながりません。もちろん、資格取得のための専門学校などにいくのであれば目的に対する努力として間違っていませんし、私も昔税理士試験の受験で大手の専門学校に通っていました。ただ、資格目的の専門学校は自分の能力を高めるために通うのではなく、単にシステム化された資格試験の合格の確率を高めるためのものです。

基本は然るべき人物の本を読み、あとは自分の頭で考えることの繰り返しなのだと思います。それぞれの職業や仕事にはその道で卓越した業績を出したり類まれな経験をしている人がいます。或いはすでに評価の定まったそれぞれの分野の古典的な名著というものがあります。そうした書物を渉猟すべきで、間違ってもハウツー本や評論家の本を読んで時間を浪費しないことです。

現在のポジションで十二分に貢献できれば、自ずとより高いポジションに導かれますし、対価である給与も然るべき水準に上がっていくでしょう。

若いうちは何ができるかを志向すべきで、決して給与の額を追ってはいけません。目先の給与の多寡で転職を繰り返すと、往々にして最終的に悲惨な結果になるものです。努力に見合った給与をもらっていないと嘆いている人の多くは、そもそも能力が足りていないか、正しい努力をしていないかのどちらかで、会社側の評価と乖離があるのが常であり、もちろん人との縁といった自分でコントロールできない要素もありますが、能力を持った人間が正しい努力を行っていれば普通に成果は出ますし、時間の問題でいつかは良縁に恵まれることになります。

富裕層は一般的に金融純資産1億円以上と定義されますが、しっかりとした能力を持った人間がきちんと成果を発揮しつづけ、さらにコストコントロールがうまくなされていれば、給与所得を積み上げることでも富裕層に到達することも可能といえます。

さらにその上の超富裕層には給与所得の積み上げだけではどんなに頑張っても到達しませんので、このレベルに達するに自分の事業に投資するなり他人の事業の投資するなり、きちんとした資本政策を行っていく必要があるのですが、まずは自分の能力の棚卸を行ったうえで、身につけるべきものを明確にして当面のアクションプランを立てることが最初の一歩といえます。

給与所得者を対象とした話が中心になってしまいましたが、かりに今あなたが学生であれば、会社員になるのではなく起業することをお奨めします。スティーブ・ジョブスがアイフォンで電話を再定義しましたが、AIとIoTが今後すべての産業を再定義することになります。

20世紀型の大企業は大量生産、大量消費を前提とし、規模が大きいことがそのままスケースメリットとなりましたが、こうした企業は意思決定を円滑に行うためにヒエラルヒーを前提とした官僚的な組織体系とならざるを得ません。これまではそれが効率的であったのですが、こうした組織は変化への対応は遅く、自己を否定するような革新的な製品や技術には組織防衛上まず拒否反応を示します。日本企業の具体例は避けますが、たとえばメインフレームへの影響からクラウドに乗り遅れたIBMであったり、ネットフリックスの台頭に代表されるトレンドを読み間違ったディズニーであったり、再生エネルギーの流れを読みそこね火力発電に固執したGEであったり、これらの名門企業のかつての輝きは失われ、時価総額は停滞ないし暴落という状況です。特にディズニーはロバート・アイガーという卓越した経営手腕を有するCEOに率いられる企業であり、強力なコンテンツを有していますので、長期的な未来は必ずしも暗くありませんが、少なくとも今後の5年間の売上の成長は停滞せざるを得ないでしょう。こうした現象から得られる教訓は、卓越した優秀な経営者であっても、ちょっとした油断で自社のサービスにマイナスになる新しいサービスや製品の展開は出遅れてしまうという事実です。今後すべての産業でこのような状況が発生することが想定され、多くの大企業は大企業であるがゆえにその産業上の競争優位性が実質的に失われつつあるといえます。

40代、50代については、現在の自分の、或いは家族としてのバランスシートを作成して財産の棚卸をしてみるべきです。バランスシートを作成するほどの財産を持っていないという方もいますが、あえて逆説的に言えばバランスシートを作成しないから相当の財産を蓄積することもできないのです。

事業の経営も個人資産の管理も基本は同じで、適切な資本政策がビジネスをうまく進めていくためのキーファクターとなります。会社の経営であれば、自分のビジネスやその事業環境、業界の将来的な展望、技術的な進化といったものから資金繰り、従業員の福利厚生など企業を管理・運営していくための能力が求められます。一方、個人資産の管理にあたっては、資金繰りや従業員の福利厚生の心配はいりませんが、主要国の経済環境や主要通貨の動向、マクロの観点での技術トレンドや進化の方向性から、場合によっては個別企業の価値の評価まで適切に把握して資本配分を実行する能力が求められます。資本の蓄積は税引後の利益の積み重ねですので、当然そこには税制に関する知識も求められます。

ごくたまに双方を両立するスーパー経営者がいますが、こうした人物はいわゆる富豪といわれるレベルで、一般的に成功者としてみなされる方でもたいていの場合はどちらかの能力を有しているにすぎません。

話を戻しますが、バランスシートができたら、将来における資金需要を把握してどの程度の利回りが必要かを計算します。その上で、最終的にどのような資産にどの程度どこに配分していくかという資本配分の詳細を決めていくことになります。


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